第1章 ヒメが生まれた日。
そのリムジンから、一人の人が降りてくると私の方へ向かって歩いてくる。
そして私と借金取りの目の前までくるとその人はこうきりだした。
「100万でよろしいのですか?」
『へっ?』
一瞬、この人は何をいっているのだろうと思いつつやり取りを見続けていた。
「なんだお前は?」
「失礼、私はこういうものです。」
その人は、
【ツキノ芸能プロダクション社長 月野 尊】
と書かれた名刺を借金取りと私に渡す。
『ツキノ芸能プロダクション?』
「って!なんでそんなお偉いさんがこんなところに?!」
確かに。
それになんでうちの借金の肩代わりをしてくれようとしてるの?
頭のなかにたくさんの疑問が浮かんでいるがとりあえずは話を聞いてることにした。
「君、うちの事務所に新人アイドルとして入らないか?」
『えっ?私が…ですか?!いやいや、私っ、女らしくもないしアイドルなんて向いてませんよ?!』
「さっき、『体でも売ってやる』といっていたのは嘘なのか?」
『それは…そうですけど……。』
「なら、うちでアイドルになりなさい。
その代わりに借金の方は私の方で全額払うし君の生活費もこちらで負担しよう。」
そう言われて断ることもできず、結局は借金すべてを肩代わりしてもらい、私はツキノ芸能プロダクションに所属することになった。