第1章 ヒメが生まれた日。
「よう、元気そうじゃねぇか?」
あっていきなりそれかよとか思いつつ。
『あ、えっと…はい。』
と、返事をした。
借金取りは近寄ってくると突然世間話を始める。
「可哀想になぁ、父ちゃんが事業に失敗なんてしなければ、俺らに追い回されることもねぇのになぁ。」
『…なにが言いたいんですか。』
「なにって、そのままの意味だわ。」
私はムカついたから言い返してやった。
『確かに父は事業に失敗し多大な借金をして、挙げ句の果てに妻と娘にすべてを押し付けて死にましたよ。
だけどそれのなにがいけないのですか?』
「結果だよ結果。
父ちゃんが死んじまって、その肩代わりを娘がしている。
母ちゃんはなにもできないお嬢様で、結果お前さんの足を引っ張っている。
俺は借金取りだがお前には同情するわ。」
(お前らなんかに同情されても嬉しくなんかない。)
『同情何て要りません。
そんなことより本題に移ってもらえませんかね?』
そういうと相手はうざったそうにこっちをみてきた。
「チッ、せっかちな野郎だな。
早い話、今月中に100万返せ。
できねぇならお前の母ちゃんを…。」
『母には手を出すな!
あんたらに母を渡すくらいなら、私がこの体を売った方がましだ!!』
町中に響き渡るほどの大声を出してしまったが構うものか。
自分の親を売るくらいなら、自分が犠牲になればいい。
これは昔からずっと思ってることだ。
父が私たちの目の前で自殺したその日から、母親だけは護っていこうと決めた。
だからどんなに高額な買い物してきても少し怒るくらいで許してしまう。
本当は甘やかしてはいけないと思いつつ、やっぱり甘やかしてしまっている。
「ブッ!アッハッハッハハハハッ!!」
借金取りはふきだして大声で笑う。
「ならはやくその体を使って臓〇〇買でもデ〇〇ルにでもなって金を稼いでみろよ!!」
そういって腹を抱えて笑う借金取りを殴り倒したいと言う感情をこらえて睨み付ける。
すると突然周りが騒がしくなってくる。
何事かと思い振り向くとものすごく高そうなリムジンが近くに止まっていた。