第192章 三成と再会
もう一度、葉月は叫ぶ。
「み、つ、なり、さ、まー」
着衣も乱して走ってくる三成の姿に、葉月も成を抱っこしたまま走る。
「…葉月、さ…ん…」
少し高い声、懐かしい自分を呼ぶあの声が耳に入る。
距離がもどかしい、けれど、それは一瞬のこと。
走ってきて息をきらす三成に、無言でがばりと抱き締められる。
荒く息を吐いて落ち着かせる三成を、葉月も空いている片腕を背に回す。
「…葉月…さん…」
何度も何度も息をついて、ようやく三成は間違いではないか、と思わんばかりの声音で葉月を呼ぶ。
「…はい…ただいま…です…」
抱き締められたまま小さく返事をする葉月を、更に強く抱き締める三成だったが、苦しくなった成が「ほげっ」と怒り出す。
「あ…」
二人で成の怒り声に気付き離れると、成が「あっ!」と暑い、と怒っていた。
「この子…」
三成は自分にそっくりな子を見て目を見開く。
「…成、と言います」