第155章 家族団らん
「成、お待たせ、綺麗になったよ」
葉月が抱き上げながら言うと、成がほげ、と返事をする。
「葉月、成は寝返りしそうだな。そろそろガード用品用意しておくか」
父親から言われ、あ、そうかと葉月は気付く。
「そうだね、絶対二階の階段前には取り付けないといけないし。あと店と家の仕切りのところも必要かな」
話している間に、弥生は成を抱き上げ、脇に両手を差し込み、ぶるぶる揺すると、成がにこにこする。
「ほげほげほげ」
「これ、好きみたいだね、成。喜んでるよ。」
母親に言うと、母親も笑みを浮かべ、成の片手を握りながら言う。
「成ちゃんは構ってあげると嬉しいのよねー」
「ほげっ」
「あ、返事した。嬉しいって事?」
「そうよ、成ちゃんは賢いからちゃんとお返事するのよ」
それを聞いて弥生は、さすが石田三成の子だな、と感心した。
一時の家族団らんも夜遅くなり、解散し、弥生も成を連れた葉月も自室へ引き上げる。
「おやすみね、成」
ほげほげ挨拶をする成が可愛いな、と思いながら弥生は部屋へ戻り、富谷と葉月を会わせる為に次に都合の良い日を教えて欲しい、と富谷にメールを送った。