第137章 出産へ
救急車が店の前に到着し、葉月は担架に乗せられ、産院へ運ばれる。
「おとうさん、あと、お願いします」
母親は父親に言って、一緒に救急車に乗り込み出発して行った。
「えー、その、どうも助かりました」
父親は富谷に礼を言い、富谷も「差し出がましい事をして失礼しました」と頭を下げ、買ったものを持って帰って行った。
父親は店を開けていられず、きゅうきょ店仕舞いし、汚れたところを片付け、産院へ急いで足を運ぶ。
分娩室へ運ばれた葉月はいきむ。
「大きく息吐いて」
助産師さんに言われ、「いたいーっ」と叫びながら、息を大きく吸って吐く。
「ほら、頭、もう出てきてる、がんばって。息、吸って、吐きながらいきんで」
「うううううーっ」
叫びつついきむ。
「はい、息、吸って、吐きながらいきむ!」
「んんんんんーっ」
「出てきたよ、もう、良いですよ」
「ぶはあああああー」