第116章 佐助、安土武将と語る
それなら俺も行こうかな、と言った口振りで政宗が言うが、佐助は否定した。
「いえ、それがいつ発生しなくなるか、その予測がつけられないのです。
俺の研究は本来、この時代や他の時代へ、本当に行く事が出来るか否か、というものであって、ワームホールがいつ開いていつ閉じるか、までは研究対象では無いのです。
その予測はこちらに来てから始めたので、いつまで発生するかわからない為、俺が次に戻るのも正直言って博打と同じです」
「佐助が次に戻ったら、戻れなくなる可能性もあるというのか」
秀吉の言に佐助は頷く。
「そうです。でもとにかく、俺は二人に会わなくてはなりません。
だから俺は現代に戻ってきます」
「あの…そうすると、舞様のお荷物は拝見しなくても良いでしょうか…」
恐る恐る竹が発言し、竹が何の為に安土城へ来た目的を、皆、思い出す。
「ああ、そうですね。貴女は舞さんの荷物を見に来たのですか?」
佐助の問いに竹は頷く。
「はい。舞様のお荷物を拝見し、何か状況がわかればと思いまして」
「それなら大丈夫ですね。俺がこうして事情を説明に来ましたから」
佐助は竹に舞の荷物を見る必要が無い旨を伝える。
「俺達はおまえに頼るしかない。絶対二人を見付けて戻って来いよ」
政宗の励ましに、佐助は表情をほんの少し顔を赤くした。
「政宗さんから励まされた…がんばります」
その様子に、他の武将達は目を瞬かせた。