第92章 時代が違う
「明日、戦になってもおかしくない、ですか…」
褥の中、竹から言われた事を三成に話す葉月。
三成の顔を見ながら、葉月は言う。
「私のいた時代はもう戦はありませんでしたから、明日戦が起きると言われても正直言ってピンと来ません」
「成程、そうですね」
三成は少し微笑み、葉月を抱き締めると言う。
「しかし、ここは時代が違うのです。竹殿の言われる通り、明日戦が起きてもおかしくない」
「…三成様…」
抱き締められたまま、葉月は三成の顔を見つめる。
「無論そうならないように信長様を始め、我々があちこち周囲を見て、適材適所、必要なところに必要な人材や物資を配置してますからね、今すぐ戦が起きる事はありませんよ」
「そう、なんですね…」
一安心したと言わんばかりに大きく息を吐く葉月の首を、三成が唇を這わせた。
「みつっ…」
驚いて声を上げる葉月に、三成は夜着の衿に手をかけながら言う。
「話しは終わりましたよ。後はこういう事をしましょう」
三成の手が夜着をあばき、大きな手のひらがからだを撫で上げ、葉月の声が変化する。
二人の夜の始まり-