第81章 覚えていない朝(R15)
朝の明るい陽ざしが差し込み、葉月は目を開ける。
「ん…」
いつもの天井と違う事に眉をひそめ、それから自分が三成の御殿にいる事に気が付く。
『あ、そうか…』
更に増えた愛された痕を見て、春が昨日、帰り際に笑っていたのを思い出す。
『からかわれちゃうかもな…』
諦めに似たため息をつき、がっしりと三成の腕に囲まれているのを、静かにほどき、三成の寝顔を見つめる。
『綺麗、だな…』
眠る三成の目元に軽い口付けをすると、ぱちりと三成の目が開く。
「えっ…」
ぎょっとする葉月に、三成は無言でじっと葉月を見つめ、そのまま何を思ったのか葉月を抱き締めて愛し始める。
「え…え…え…?ちょっと、ま…」
待って、と言う間もなく、声は吐息に代わり、更に喘ぎ声に代わる。
三成はまた、この事を覚えていなかった。
「だ、だって、三成様、最後まで…」
葉月は抱き合ったまま、三成に赤くなって言うが、三成は不思議そうな顔をして反対に言う。