第79章 抱き寄せる(R15)
「星を、見てました…」
ふわりと微笑む葉月に、三成は一瞬立ち止まってのどを鳴らし、葉月の横へ来ると片腕で抱き寄せる。
「そういえば、前も星を見てましたね。確か秋の星はさみしい、と」
「はい、明るい星がないんです」
「こんなにからだを冷たくして。風邪をひいたらどうするんです?」
抱き寄せられ三成に注意される。
「…ごめんなさい」
素直に謝る葉月に、三成は少し笑みを浮かべ、瞳に熱を浮かばせて更に抱き寄せる。
「良いです。これから二人で温まりましょう…」
「…はい」
小さく答える葉月を抱き寄せたまま、三成は部屋へ葉月を誘う。
褥の上へ二人で座ると、三成は片手を葉月の頬へ添える。
少し冷たくなった三成の手に、ぴくりと反応した葉月。
三成は頬を何度もそっと撫で、反対側の手を葉月の後頭部へ添えると、葉月へ更に近付き、顔のあちこちに口付けを降らせる。
額、目の上、頬、鼻、そして唇。
葉月の両腕は三成の首に回した。