第65章 真実を秀吉と三成に
「そうすると、まず、葉月の働く茶屋の事を片付けてから、武家の心得を覚えてもらって輿入れか。輿入れの準備だけは始めるよう、竹と相談しておくから安心しなさい。
白打掛は、どちらにしても、そんなすぐには出来上がらないからな」
秀吉の優しい表情に、葉月は落ち着かない様子で聞く。
「そんなに良くしていただいて良いのでしょうか…?
私自身は全く秀吉様と縁もゆかりもないのに…」
「三成と一緒になるなら、縁もゆかりも無い訳ではないだろう?
三成は俺の大事な部下だからな」
「…ありがとうございます、秀吉様…」
改めて秀吉に頭を下げる葉月だった。
「ああ、気にするな。ところで一つ聞きたい」
「はい?」
「500年後、俺達はどんな風に思われてる?」
ああ、未来でどう思われてるのか、気になるのかな、と葉月は内心思う。
「はい、お二人どころか皆様、戦国武将として名前が残ってますよ。
特に信長様は歴史上の人物の中で、一番、二番の人気を争ってます」
それを聞いて、秀吉はぱっと表情を明るくする。
「そうか、御館様はそんなに人気なのか!」
「そうですね、怖いけれど人を惹きつけるものがあるって絶大な人気ですよ」
三成も感心する。
「信長様はそんなに人気がお有りなのですね」
二人が信長の後世の人気について知り、喜んでいる姿を見て、葉月は笑顔をこぼす。
『皆様も残っている絵と姿が全く違うんだけどね。
こんなイケメンばかりだとわかったら、信長様を始め、皆様、更に人気があがるだろうな』
葉月は内心、思うのだった。