第8章 nervous
一体女はどんな服装で来るのだろうか。
落ち着きを取り戻した男の頭を支配したのはそのことだった。
(つばめちゃんならスタイルもいいし何でも似合いそうだなぁ。
スカートもジーパンもショーパンも着こなしそうだなぁ)
脳内で思い思いに着せ替えていると男はまたそわそわし始めた。
街を行く見知らぬ女性たちの服装を見て、あれもこれもと止めどなく妄想が溢れる。
「おはよう」
男は急速にクールダウンした。
それは単に本人が到着を待ち焦がれていた女が来たからというわけではない。
「お、おはよ……つばめちゃん……」
「先に着いてたんだ。待たせてごめん」
「気にすんな! ……それより、どうしたのその格好……」
「ああ」
これね、と女は呟いた。
男が驚くのも無理はない、だって女は制服を着て待ち合わせ場所に来たのだから。