第8章 nervous
(やべぇ、緊張してきた……変なカッコウしてないよな)
緊張しないはずがなかった。
俺はあえてデートって言わなかったけど実質これはデートだから。
デートなんて響きは久々で……でも過去には敵わないレベルでテンパってる自信しかない。
待ち合わせ場所に向かうまでショーウインドウに時分の姿が映ったらいちいち気にしちゃう。
乙女みたいだべな……まぁ結局は俺の気にしすぎなんだろうけどさ。
(いやぁ、でも気にせずにはいられないっていうか)
爽やかな初夏の風が青く茂る葉を揺らした。
つい、つられるように背筋がしゃんと伸びる。
今さら焦ってもどうしようもない、踏ん切りがついたようだ。