第8章 nervous
翌朝、女は目覚めた。
もちろん昨日月島に体を拭いてもらっていたこともキスをされていたことも何も知らない。
約束までまだまだ時間はあるので急いでシャワーを浴びた。
体を拭って全裸のまま家のなかをうろちょろし下着を引っ張り出してからクローゼットの前に立つ。
ここで1つ困ったことがある。
女にはファッションセンスというものが欠落している。
(ジャージはやめた方がいいのかな)
携帯で手早く調べてみるとなんとも年頃の女の子たちはガーリーだったりギャルっぽかったり……なんとも女からかけ離れすぎてる。
(さぁ……困ったものだね)
いつもは服を選んでくれる幼馴染との出掛けなわけではない。
無意識に山口への発信を押そうとする指を押さえる。
(……たまには自分で頑張ってみようか)
「ふあ~……ふー、眠い」
まだ疲れの抜けきっていない体を引きずって女はまずは朝食を食べることにした。