第8章 nervous
家につくと女は何かが切れたかのように布団にバタリと倒れこんだ。
男ははぁとため息をついて濡れタオルを用意し女の服を脱がせた。
白くて細い体を丁寧に吹いてやると女はほんのり呻き声をあげた。
「……ホントに無防備だよね」
艶かしくさらされている白いキャンパスに赤い華を咲かせていく。
ちゅっちゅと2人きりの部屋にリップ音が鳴る。
(……痕つけるだけじゃ満足出来なくなってきた)
背を向け枕にしがみつくように寝ている女の体を正面に向き直し、顔に咲く桃色の蕾に口付けた。
軽く触れる、慈しむようなキス。
男の幸せな時間はそこに描かれた。