第7章 twinkle
「オメデト」
握りしめた賞状、渡された箱に目を疑いながら今日に思いを馳せていた。
かけられた声にジトリと気だるげに振り返る。
同じようにジトリとした視線が女を射抜いた。
「アリガト」
黙って横に並ぶ男に女は体をほんのりと預けた。
男はぴとりとくっつけられた肩、額に抵抗は見せなかった。
「上出来じゃないの?」
「……私にしては、ね」
丸まった賞状の隙間から見える『第3位』の文字。
諦めてた場所にようやく立てたのだ。
「……試合前、ずっと蛍ちゃんのこと考えてた」
「へぇ。そんなにボクが好きなワケ?」
「さあ?」
「いい加減素直になったら楽なのに」
「蛍ちゃんに言われるなんて思ってもみなかったな」