第7章 twinkle
「ツッキー遅いよ! どこ行ってたんだよ!」
「別に」
男がつばめと別れ、客席にいる山口のもとへ戻るとすでに不安そうな顔を浮かべていた。
月島はまぁ無理もないと息をついて椅子に腰かけた。
上から見下ろし見える女の表情は暗くはなかった。
怒りだ。
女の表情には怒りにも似たようなものが滲み出ていた。
理由は誰にもわからなかった。
(はぁ……よくわからないけどムカつく……)
大会前に嫌気よりもほかの感情を抱いたのはこれが初めてであった。
女自身では処理しきれない。
もうしばらくしたら自分の番が来ると言うのに。