第7章 twinkle
時刻は9時、現在開会式の真っ只中である。
ふあ……とあくびひとつしてうつらうつらと首が揺れ始め、そのたびに後ろに並ぶ同級生につつかれる始末であった。
「皆さんの健闘を祈っております」
(そんなこと言って貴方たちの目当ては前回中学大会チャンピオンなんでしょうね)
小声でカツラでも飛べばいいのに……なんて呟いたら前にいた部員に笑われた。
それが先輩かどうかもわからず、淡々と時が進む。
そんな彼女は考え事の最中である。
ぼんやりと考えるのはあの男のこと。
どうにも言えない想い、考えは女の脳を駆け巡りそして眠気にまた変わる。
つばめの面倒を見る係が部に出来ていたことなど本人は知るよしもないままだ。