第6章 negotiable
「――で、どうです菅原さん?」
「どうって何が?」
「もうアイツに関わらないでくださいよって話です」
「よく言うべ。振られてたじゃん月島」
「でもアイツは僕のこと好きって言いましたよ」
「そういう"好き"じゃないと思うけどなぁー、俺は」
月島が反論しようと口を開いたところでタイミングよく電子音が遠慮なく部屋にこだまする。かかっている端末は山口のものだった。
「あ、ごめん。俺お呼び出しだ。ツッキー、ごめん行くね」
「はいはい」
「菅原さん、お先に失礼します!」
「おー、じゃあな」
山口が去ったということは天敵二人、個室の中。先に口を開いたのは
「ああ、そうそう。山口のこともライバル視してるみたいですケド、その必要はまったくないですから」
「え、何で?」
「だってあの二人――――」