第5章 Memories
「蛍ちゃん最近なんでイライラしてるの?」
「……つばめがどっか行こうとするからデショ」
「どこにも行こうとしてないよ」
「……ねぇ、つばめ。僕のこと好きなんだよね?」
「好きだよ。とても」
「じゃあもう一度言う。菅原さんには会わないでね」
(おい! 月島何言ってんだよ!)
(ちょっと待ってください! 落ち着いて!)
菅原は月島の無茶に大変ご立腹で今にも飛び出しそうである。山口があえてとめるのは女の次の言葉が何となく読めているから。
(つば子ちゃんは大丈夫だよね)
「いやだよ。前にもそう答えたはずだよね」
続けて言葉を紡ごうとした女の口を自らのソレで塞いだ。一瞬瞳を揺らすもののすぐ受け入れて深く、絡み付くような口付けを交わす。
部屋の中にはいやらしい水音が控えめに響いてベッドの下の菅原には耐えがたい時間が続く。