第5章 Memories
その日の部活で質問にあったのは西谷だった。
「ノヤっさん!!」
「おう! どうした翔陽!」
「渡さんとどんな関係なんスか!?」
その名前に過剰に反応を示すのはいつも通り保護者1と保護者2と一目惚れである。
影山は「またアイツの話か」と呆れている。
「俺はアイツの……」
(アイツの……?)
警戒心MAXの月島は次の言葉を静かな怒りの視線で待つ。そんなことなど微塵も知らない西谷はためるだけためてキメ顔で言い放つ。
「先輩だっ!!!」
ため息、呆れ顔、苦笑いの順で反応を示す。
一方で日向、田中は「すげぇ!」ともてはやす。
「スガ、またライバルが増えたんじゃないか?」
「バカ言うなよ。譲らないけど」
「うっわ、怖っ!」
そんなこんなで烏野男子バレー部は今日も元気である。女は自分が教室でも部活でも日向のせいで噂になっていることを知ることはなかった。