第1章 Destiny
「なら俺と恋に落ちればいいんじゃないですかね?」
「……え?」
彼は思った、自分で言っておきながら何言ってんだと。
つばめの表情からは何も読めない。
頭をかき、何となく気まずい気持ちが表れた表情のままつばめに視線を向ける。
「……ふふ、あなた面白いんだね。えっと……菅原先輩?」
「っ!」
(ヤバイ……先輩なんて久々に言われた……!)
彼の後輩は彼のことをスガさんと呼ぶ。
だから『先輩』という響きはとてつもなく懐かしい。
おまけに一目惚れした相手だ。
彼のときめきストレージは爆発的に急上昇中だ。
(神様……ありがとう……!)