第5章 Memories
「そーいや次の土曜日体操部大会らしいぞ」
「へぇ、そうなんだ」
「……え、それだけ?」
「うん」
「行かねぇの? 好きな子の応援」
「来るなってさ。演技してるとこ知り合いには見られたくないんだって」
「へぇー、なんでまた?」
「さぁ。そこまで話してくれなかったよ」
昼休み、バレー部3年男子はご飯を広げながら菅原の想い人について話している。
菅原の告白から何となくバレー部は恋バナに花を咲かせていることが多くなった。
「西谷はスガの好きな子見たんだよな」
「うん、なんか気が合いそうだったね」
「俺も見たいなぁ。可愛い子?」
「旭がそんなこと言うの珍しいな」
「怪しいな」
「二人揃ってひどいなぁ……」
東峰のガラスのハートに傷がついたらしい。
悲しげな微笑みを浮かべるがいつも通りからかわれて終わるだけだった。