第5章 Memories
月曜日の朝、男と女は逢瀬した。
男はいろいろと女について知りたいと思っていた。
そのいろいろを聞いてみた。
好きな食べ物は黄色ではなく茶色のモンブランで、髪の毛と同系色だと言ったら怒られた。
一方で好きな色は黄色らしい。またモンブランカラーだと言うと怒られた。
「モンブランは甘さ控えめなのが好きだよ。甘いものはあんまり好きじゃない」
「女の子ってみんな甘いもの大好きだと思ってた」
趣味は研究らしい。踊りについては無意識らしい。かつてバレエをやっていたそうでハードな感じではなくあの柔らかな感じの踊るそうだ。
「あれは別にバレエの動きでもなんでもないよ」
「どっちにしろキレイだよ」
研究は"情熱"について。自分には情熱的という感情がわからないので手っ取り早く理解しようと恋を研究しているらしいが成果は上がらないようだ。
「でもね……あなたなら私に何か教えてくれそう」
「俺でよければ教えたいね」
そうして話しているうちにお互い部活に行く時間になった。新しく決まったことがあった。
「月曜日と金曜日の朝、会おう」
こうして楽しみがまた増えていった。