第4章 Pet
「なんか変わった子でね、淡白なんだけど好奇心旺盛なんだよね」
「知らないとか言う割には特徴つかんでんじゃないのそれ」
「と、とにかく! ……いい子だよ」
柔らかい笑みを口元に浮かべる菅原を見て澤村と東峰は「ほー」と羨ましいなこのっとか思いつつもほんのり嬉しいようであった。
「さぁ、青春もいいけど練習すんぞ!」
「ウッス!!」
今日も体育館に男達の雄叫びやら掛け声やら熱やらが渦巻く。そこから少し離れた建物で女は床に手をついたり、足を静かにつけたり、軽く息をついたりする。
「っくしゅん」
「風邪か渡、体調管理に気ィ配れ!」
「は……っくしゅん、はくしゅんっ……はっくしゅん……はぁ、はぁ……はい」