第4章 Pet
「……帰る」
「そう、おやすみ」
「あっ、ツッキー……」
居心地が悪くなったのかそのまま家を出ていった。
気にも留めずに二人ぶんの食事をよそっていく。
釈然としないままほかほかの食事をテーブルを運ぶ。
「いただきます」
「いただきまーす」
話しかけようにも話しかけづらい雰囲気に山口は困っている。とつばめの方から話題を振ってきた。
「明日は休日練?」
「うん、あるよ。つば子ちゃんもでしょ? 大会近いし」
「ある。今日は泊まってくの?」
「いや、やめとくよ」
「そう」
「それにしてもこの煮物めっちゃ美味しい!」
「そう」
できたての食事に舌鼓を打ちながらも逃げるように帰っていったもう一人の幼馴染みが気になる山口であった。