第4章 Pet
山口を玄関まで見送り、お風呂に入る。
平然を装う彼女だってストレスを感じる。
(私を縛り付けたいのかしら)
ここ二日でますます短気になった月島に対してめんどくさいという感情を抱いている。
つばめは理由もなく束縛されるのが苦手だ。
もともと理由や根拠がないことを信じるのも苦手だ。
要するに頭が固いのだ。
(どんな理由をつけてくるのか期待してたのに。つまらない)
興冷めだ、脳がそう囁いている。
シャワーを止め、バラが香る浴槽にちゃぷんと足を沈める。華やかな香りがリラックスさせてくれる。
「……明日は会えないのね」
つばめが思い浮かべたのは泣きぼくろの笑顔だった。