第3章 Consciousness
「そういえば朝練大丈夫?」
「あるある。だからそろそろ行こうと思ってた」
「そう。じゃあ私も行こう」
「あれ、何部だっけ」
「体操部。今日は朝練サボろうと思ってた」
「許しません。ほら、行くぞ」
「うん」
今日も菅原はつばめの手をひく。
どうやら彼は無意識のうちにやっているようだ。
昨日はものともしなかったつばめだが、ほんの少し意識をしてしまうようだ。
顔にこそ出ないがつばめもつばめで実は安心感を覚えていた。
出逢って二日目としては近すぎる距離だがそれを心配しない程度に信頼関係がいつの間にか出来ていたようだ。
「……先輩は不思議」
「それつばめちゃんが言う!?」
「うん。言う」
そんな風にふざけあっているのを後ろから見ている者がいた。
「……アイツ……」
眼鏡をクイッと直し、その場で固まる。
山口はあちゃーと一人呟く。
月島は苛立っていた。
(あんな顔、僕の前でしないクセに……)