第3章 Consciousness
菅原とつばめが通話していた同時刻、月島蛍はどうしても腹が立っていた。
自分に対して隠し事をした幼馴染みにだ。
いつだってつばめは考えこそ理解はできないがそれ以外にわからないことは基本なかった。
彼女の好き、嫌い、得意、不得意、クセ、そして唇。
「……気にしても意味ないのに」
夕方にも触れたあの影を探るように自らの唇を、指でなぞる。
はぁ、とため息をついて机に向き直る。
(朝まで迎えに行かなきゃか……)
めんどくさい、その一言に尽きる。
しかしつばめの顔を思い浮かべるとそんな気だるさも飛んでいった。
(朝、少し遅く家出るか)