第3章 Consciousness
「やだなぁ」
つばめはまだ収まらない笑いを含んだ声で続ける。
「蛍ちゃんはね、幼馴染み」
「お、幼馴染み……? いや、でもさっきキスして……」
「菅原先輩ともしたよ」
「幼馴染みでもない初めて会ったヤツだけどね」
「でも」
笑いも引っ込みいつも通りの感情のない声に戻る。
「自分からしたのはあなたが初めてだから」
「っ……」
(今……つばめちゃんはどんな顔してるんだ……)
真っ赤な顔のまま電話中の相手を先ほどより意識し始めた。顔色について本人に自覚はないのだろう。
考えるより先に口が動いていた。
「明日も会いたい」
「――――――」
向こうは静かだ。
余計に不安を募らせる。
「―――――――いいよ」