第3章 Consciousness
(素直じゃないね)
つばめは真顔の奥でそんなことを考えていた。
人は月島をカッコいいと言うけれど女だけは彼を可愛いやつだと思っている。
「……何で菅原さんと知り合いだったことすぐ言わなかったの」
「それは嫉妬?」
巨体に後ろから抱きすくめられる。それゆえ顔を見ることが叶わないのだが。
「そうじゃなくて。おんなじ部活の人だし、僕に教えるべきデショ」
「筋が通ってないよ」
「いろいろゴアイサツする必要があるんだよ」
「理解不能だね」
つばめを抱く腕の力が強まる。
首筋に月島の吐息がかかると、それを便りに手探りでその頭をぽんぽんと撫でる。
一瞬ピクッと反応し避けようとするが結局避けない。
(これだから蛍ちゃんは最高だ。観察しがいがある)