第2章 Necessarily
「なぁなぁ渡さん! 月島と山口どういう関係なの!?」
昼休み、ついにそのときはやって来た。
クラス中の女子からの視線がつばめに向かって突き刺さる。
やれやれと思いつつもポーカーフェイスを崩さずに淡々と答える。
「幼馴染み」
「ホントに!? 幼馴染みだからってキんぐっ!?」
肝心な二文字を言い切る前につばめは日向の頬を掴む。流れるかのような動きに彼は思わず目を奪われた。
日向からつばめの表情は伺えないためか冷や汗をかきながら硬直している。
「――――――――糸屑、ついてる」
「お、おう……」
「じゃあ私、行くから」
日向は何もできなかったし聞けなかった。
つばめの覇気に圧されたのだ。
そうして何事もなかったかのようにクラスは騒がしくなっていく。