第2章 Necessarily
(二人とも過保護)
席についたつばめは先ほど月島がやろうとした"おまじない"を思い出す。
ひどい花粉症のつばめはかつてくしゃみに悩まされたことがありくしゃみを少しでも減らすための措置。
それがキスだというのは大概な話だが……。
時間は過ぎ行き、授業はどんどん流れて行く。
前の席にいる小さな男はどんなときもうずうずとしながらつばめに視線をやる。
それゆえかよく教師に「日向、前を向け」と注意されている始末だ。
つばめは日向に対して興味深いと口角をあげながら顎をしゃくるように触る。
顎に触れるのは、面白そうな事物を前にすると無意識下でやっている癖。
教師に注意されてもなおそわそわとこちらを向く日向はもはや彼女にとって研究対象レベルであろう。