• テキストサイズ

一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】

第3章 am 11:06


目の前に現れたのは、普段よく見る電車とは違い、大きな窓が特徴的でモダンなデザインの車体、リゾート観光列車と呼ばれるものだ

中には展望室やカフェ、バーが備わっており、座席は全席個室
ミシュラン五つ星シェフ監修の食事が提供されるという、旅番組や旅行雑誌などでよく取り上げられる列車だ

こんな豪華な列車であれば、もちろん人気は高く、予約はなかなか取れないことでも有名

今回それに乗ることができるなんて、奇跡と呼ぶ以外に言葉がないくらい

「レトさん、ほんとにこれ、予約取れたの?!」

「ふふ、まだ信じてへんの?
ずっと前に柚月ちゃんが乗ってみたいって言ってたん思い出して、ダメ元で予約してみたら意外といけた!」

「レトさん……すごいよ!ありがとうっ!!」

ずっとずっと乗ってみたいと思ってた!
この旅行、ちょっと心配だったけど任せて良かったかも!
テンションが上がるのが抑えられない!!

興奮を抑えきれずはしゃぐ私に、不意にレトさんの手の平が私の頭にポンポンと触れる

「ふふ、その顔が見たかったんよね。
ほんと可愛いな。」

「…っ!」

レトさんの手の温もりと柔らかな瞳に、急に恥ずかしくなる
ズルイ不意打ち…

「はいはーい、そこイチャつかない。
そろそろ乗るよ?」

突然キヨくんが私の腕をグッと引っ張って、乗車口まで連れて行かれる
心なしかちょっとムッとしてる?

「痛い痛いっ、どうしたの?
…キヨくんなんか…怒ってる?」

「別にー。ただレトさんにオイシイとこ持ってかれたなって思っただけ。」

拗ねた子どもみたいに口を尖らせてるように見えて、つい笑みが溢れる

「ちょ、柚月、何笑ってんだよ。」

「ふふ、いや、ごめんっ、なんか可愛くて。」

「はぁ?男に可愛いとか言うなよ。」

今度は照れてるのか、ふいっと顔を背けて先に乗ってしまった

「キヨくんわかりやす!
まぁいいや、柚月ちゃん、行こっか。」

レトさんに促され、私たちは目的地行きの列車に乗った
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp