一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】
第3章 am 11:06
結局旅行の日程については詳しく教えてもらえないまま、私たちはカフェを後にした
“第一の目的地”まで電車で移動するというので、駅まで歩いて行く
とりあえず目隠しはされなくて良かった…
『今回の旅行は行き先不明のミステリーツアーってことで(笑)
当日まで楽しみにしててや!』
ふと3ヶ月前にレトさんからもらったメールを思い出す
まぁこの二人だからきっと楽しいこと考えてくれてるはず
何と言っても旅行も温泉も久しぶりだし
どこに連れて行ってもらえるのか考えてる内に、駅に着く
改札が近付き、レトさんがふと立ち止まると、かばんをガサゴソと探り、私に何かを手渡してくる
「はい!これは柚月ちゃんの分!」
「?…切符?」
「ん、そろそろ到着する頃やな。」
レトさんは時間を確認すると、そのまま改札を通ってしまった
「いやーまさか予約取れるとはねー!
柚月も早く行こーぜ。」
と言うとキヨくんもそのまま改札を抜けて行った
予約…?
新幹線じゃなさそうだし…
ともらった切符に視線を落とす
そこには今日の日付と行き先、指定乗車券と書いてある
この切符、もしかして…!
もらった切符を改札機に通し、急いで二人の後を追ってホームへの階段を上る
到着の案内アナウンスと共に、一際目を惹く車体がゆっくりとホームに入ってきた
「えっ、ウソ…これに乗れるの?!」
レトさんはニンマリ笑って、得意げな表情を浮かべる