《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
私は振り返った。
「なんで知っているんですか?」
「一松に聞いたんだ。自分が警察に疑われていると言っていた。本当なのか?」
「はい、その通りです……」
「一松は犯人じゃあない。俺はそれを言いたくて来た。あいつは殺人なんてするやつじゃないからな」
「私もそう思ってます。でも、一松さんにはアリバイがないんです」
カラ松さんは真剣な表情で訴える。
「よく考えるんだ、カラ松ガール。何か見落としていないか? 頼む、一松を救えるのは君だけなんだ」
カラ松さんの本気が伝わってくる。
本当に一松さんを心配しているんだろうな。
私は鞄を下ろした。
「所長が殺された時間に、一松さんが何をしていたのか証明してくれる人が見つかればいいんですけど……」
「見つかりそうなアテはあるのか?」
「ないです」
カラ松さんは、顎に手をやり、考え込んだ。
「人じゃないとだめなのか?」
「え?」
「要はあいつが何をしていたのか分かればいいんだろう?」
「はい……」
「あいつの行動が分かるものはないのか? 記録が残っているとか」
記録?
私はカラ松さんを見上げた。
「それってつまり……」