《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
「カラ松さんって、数ヶ月前の殺人事件で亡くなられていますよね?」
「ああ、そうだな」
「あの……それはつまり……」
カラ松さんは、途端にキラッキラとカッコつけたクソ顔に戻り、フッと笑った。
「俺が生きているのか死んでいるのかを聞きたいのか?」
「はい」
「生きていようが死んでいようが大した問題じゃあ、ない……」
「は?」
「生きていたって死んでいたって、このカラ松が夢を追う彷徨い人、ドリームトラベラーであることに代わりはないのだから、な……」
私は無言でカラ松さんから離れた。
「あ、え? 離れちゃうの……?」
カラ松さんが情けない声を漏らす。
「もういいです……。遅いし帰ります」
カラ松さんに真面目に聞いた私が馬鹿だった。
面倒くさくなった私は地面に置いていた鞄を拾うと、歩き出した。
「待てっ! ウェイトだ、カラ松ガール!」
背中からカラ松さんの焦ったような声が追いかけてくる。
「俺は一松のことで話があって来たんだ!」
私は足を止めた。
一松さんのこと?
「工場のデカパン所長が殺された事件! 君たち警察は一松が犯人じゃないかと疑っているんだろう!?」