《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
「あ!」
ふと、私はあることに気づいた。
「どうしたんだ? カラ松ガール」
私は、そっとカラ松さんの手を握った。
「かっ、からまちゅがーるぅぅっ!?」
カラ松さんが絶叫する。
「今日は冷たくない……」
「へ?」
洋館で会った時、私に触れたカラ松さんの手は氷のように冷たかった。
まるで幽霊のように。
それに私にキスした時の唇も……。
私はカラ松さんの唇を見つめた。
「カッ、カリャマチュギャール? そそそ、その目は……な、何を……」
カラ松さんが震えながら私を見る。
「唇」
「え?」
「唇、触ってもいいですか?」
「はぁあああっ!?」
カラ松さんが大声を上げる。
「そっ、それはつまり、キキキ、キスかっ? キスってことか?」
「あ、いえ、温度を確認したいだけなので、手でいいんですけど……」
「手ぇっ!? くっ! それはそれで卑猥っ!」
洋館で無理矢理キスして睡眠薬を飲ませてきたくせに何を今更焦っているんだろう?
私は手を伸ばすと、カラ松さんの唇にそっと触れた。
「っ!」
カラ松さんの体が固まる。
今日は唇も温かい。
やっぱり、カラ松さんは幽霊じゃない?
じゃあ、洋館で会った時はなんで冷たかったの?
「カラ松さん」
「はい……」
カラ松さんが、まるで魂を抜かれたかのようにぼうっとした顔で返す。