《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
「…………」
十四松さんの目を見ていたら、変な気分になってしまいそう。
私はなんとか視線を外した。
頬を包む手がスッと動いて唇に触れようとし、瞬間、ピタリと止まった。
「でもね! もうしない!」
十四松さんが急にきっぱりとした口調で言う。
「え?」
「次するのは、ゆりちゃんに振り向いてもらえた時って決めたから! それまでお預け!」
十四松さんは手を引っ込め、「あはー!」と笑った。
「十四松さん……」
切ない気持ちと罪悪感が入り混じる。
そんな私の気持ちに気づいたのか、十四松さんは無邪気に大声を上げた。
「あー! そうだ! もし両想いになれたら、ゆりちゃんにして欲しいのはねー! えーっとねぇ! おっぱいで」
「十四松さんっ! 聞こえちゃうからっ!」
私は慌ててまた十四松さんの口を手で押さえた。
人がよく通る場所だから気が気じゃない。
「もっぱいべ、たっぴーぼ……」
手の下で十四松さんの口がもごもごと動く。
「あ、ごめんなさい! なんですか?」
手を外すと途端にまた大声で、
「おっぱいで! タッティを!」
「わーーーー!」
私はまた十四松さんの口を塞がなくてはいけなかった。