《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
私の視線に気づいたトド松先輩が、ニコニコしながらおそ松さんに突っ込んだ。
「おそ松さんてば! セクハラですよ〜? もぅ、困った人だなぁ」
トド松先輩、どう見ても全然困った顔していない……。
「先輩、なんで笑ってるんですか……?」
トド松先輩が澄んだ目で私を見る。
「なんでって何で? なんか和むよね〜?」
「な、和まないですっ!」
トド松先輩、急にどうしちゃったの!?
いつもの先輩ならビシッと言ってくれそうなのに。
話の元凶のおそ松さんが、呑気に鼻をほじりながら会話を遮る。
「なぁ、ところでさ、ここで君たち何してたの?」
「ゆりちゃんが昨日通り魔に襲われたので、調べていたんですよ」
「へぇー、通り魔ねぇ……」
おそ松さんは虫眼鏡を持って、ベンチの周りを念入りに調べ始めた。
あ、あれ?
さっきまでとは打って変わって、真剣な表情。
もしかして、真面目に調べてくれているの?
私はハッとした。
チョロ松警部のお友達だっていうし、本当はおそ松さんって凄い探偵さんなのかも……。
私、失礼なこと言っちゃったかな。
少し反省しながら隣を見ると、トド松先輩も期待に満ちた表情でおそ松さんを見守っている。