《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
「私が襲われた時は、通り魔は鉈と金槌を持っていました」
「えっ? 鉈と金槌? それは初めて聞くな〜。上には報告した?」
「はい、伝えてあります」
凶器が今までと違う……?
なぜだろう?
「ゆりちゃん、通り魔の顔は、当然仮面で見えなかったんだよね? 何か他に犯人の手掛かりになりそうなものあった?」
私は、通り魔と対面した時のことを思い返した。
あの時……。
私は、咄嗟に通り魔に「一松さん?」と声をかけてしまった。
通り魔は驚いて手を止めたように見えた。
でも、まさか……。
一松さんのはずがない……よね……?
悶々と考えていたその時。
突然、「どいてー!」と、上から大きな声が降ってきた。
「?」
見上げると、何かが高速で突っ込んでくる。
「あぶなっ!」
私とトド松先輩が飛び退くと同時に、ハンググライダーが地面に激突した。
「な、何?」
ハンググライダーはぐちゃぐちゃに壊れ、乗っていた人は「あいてててて」と言いながら起き上がった。
「あっ! おそ松さん!」
トド松先輩が叫んだ。
誰?
先輩の知り合い?
「あー、久しぶり〜。チョロさんとこの刑事さんだよね〜? トド松くんだっけ〜?」
おそ松さんと呼ばれた人は、ニヤニヤ笑いながら鼻の下を擦った。