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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第6章 名探偵は謎を解かない


***

「ベンチに座っていたら、入り口から仮面の通り魔が歩いてきたんです」
 
私が襲われた場所を指し示すと、トド松先輩は振り返って公園の入り口を確認した。


警察署前の公園。
昼過ぎになり、私とトド松先輩は、昨日の通り魔事件の現場検証に来ていた。

普段は親子連れで賑わう公園も、この暑さでは人っ子一人いない。
けたたましい蝉の声が耳に刺さる。

「署の方向から来たのかあ。外に付けてある監視カメラにうつっていないのかな?」
トド松先輩が考え込む。

「さっき十四松さんが確認してくれました。うつっていなかったそうです」

答えると、先輩は怪訝そうな顔をした。

「十四松さんが……?」

「はい。先輩、どうかしました?」

「ゆりちゃん、ちょっと十四松さんに頼りすぎなんじゃないの?」

「えっ? そ、そうですか? でも鑑識さんだし……」

私、そんなに十四松さんに頼っていたかな?


トド松先輩が真剣な顔で見つめてきた。
「ねぇ、僕ってそんなに頼りない?」

「えぇっ!?」

先輩のきれいな瞳に思わずドキッとする。

「何でそうなるんですか? 全然そんなことないです!」

「なら、いいけど……。僕、もっとゆりちゃんの力になりたいって思ってるんだよ?」

きゅるんとした上目遣いで見つめられ、かあっと耳が熱くなった。


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