《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)
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「ゆりちゃん、ごめんね! 時間遅くなっちゃったね! えーっと……あっ、そうだ! 食事に行くつもりだったの忘れてた! どうしよう?」
服を整えると、十四松さんが困ったように手をブンブンと振った。
可愛い……。
ついさっきまでの男らしい十四松さんとのギャップに思わず微笑んでしまう。
「今からどこかで食べてから帰りましょうか? お腹空いちゃったし」
「あい! 行こう行こう!」
「あ! でも、スマホ忘れたんだった! 署に取りに戻ってもいいですか?」
思い出してよかった。
危うくそのまま帰るところだった。
十四松さんがニコニコと頷く。
「あいあい! 僕もついてくよ!」
十四松さんと署に戻り、捜査一課の部屋のドアを開けようとすると、中から聞き覚えのある声が聞こえた。
「ちょっとお、チョロ松さん! トト子の言うことが聞けないって言うの?」
「んあっ! 聞きます! だから、そこは……だめぇっ!」
「ふうん。じゃあ、何でも買ってくれる?」
「何でも買ってあげちゃうっ! はあっ! 何なら今すぐに貯金全部おろしてくるからっ!」