《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
やがて電話は切れ、またあたりは静かになった。
「ねぇ、ゆりちゃん……」
「はい?」
顔を上げると、トド松先輩は恥ずかしそうに目を逸らした。
「その……なんていうか……今からって……」
「?」
「もう署に戻るよね?」
「そうですね」
「そ、そっか……アハッ、そうだよね!」
トド松先輩が気まずそうに笑った。
「先輩? どうしたんですか?」
なんだか様子がおかしい。
じっと見つめると、トド松先輩は小さな声でボソボソと喋る。
「久しぶりに会えたし、こうやってくっついてると……その……もう少し……」
「もう少し?」
「うん……もう少しくっつきたいっていうか……」
「?? かなりくっついていると思いますけど?」
「うん。そうなんだけど、そういう意味じゃなくて……これだとまだ距離があるから……ね?」
「距離?」
よくわからない。
抱き合っているから距離も何もないと思うけど。
トド松先輩はため息をつくと、突然大声を出した。
「あー! もうっ! ゆりちゃんの鈍感! だから! もっと近づきたいの! 二人きりで! これじゃまだ足りないの! 僕は裸のゆりちゃんを抱きたいの!!」
え、裸の……?
トド松先輩の言いたいことがようやくわかって、耳がかあっと熱くなる。
だから、気まずそうにしてたんだ?
「先輩、それって、もしかしてセッ――」
「言わなくていいから! 恥ずかしいよ! 察して! 感じて!」
手で口を塞がれた。
トド松先輩は真っ赤になっている。
私まで恥ずかしくなってきた。