《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「はい……」
私は頷いた。
会いたい。
会いたいに決まっている。
「なら、叶えてあげるダス」
「え!? 本当ですか!?」
デカパン所長はニッコリと笑った。
「ワスがこの一年、どうでもいい研究に時間を費やしていたとでも思っているダスか? 生き返ってからは君たちのことを忘れた日はなかったダス。やっと完成したダスよ」
「完成?」
何が?
そのとき、着信音が鳴り響いた。
私のスマホだ。
店を飛び出す前から手に握っていた。
「誰かから電話がかかってきたみたいダスね。出るといいダス」
画面には『非通知』の文字。
もしかして……。
おそるおそる通話ボタンを押した。
『ゆりちゃん? デカパン所長と話は済んだ?』
「トド松先輩!」
人目も憚らず、大声で叫んでしまう。
『まったく。やっと生き返ったのに、ゆりちゃんは他の男と食事してるなんてね。デカパン所長が心配して、店の外から様子を見てくれてたんだよ。やっぱり僕のほうがいいんでしょ? 安心したよ』
「え、それはどういう……」
『どうでもいいよ。要はデカパン所長の発明で、僕はまたゆりちゃんに会えるってこと!』
「っ!!」
顔を上げると、デカパン所長が歩いていくのが見えた。
「デカパン所長! あの……!」
デカパン所長は振り返ると微笑んだ。
「ワスの仕事は終わったダス。あとはふたりで好きにすればいいダス」
「でも、なんで……」
「嬉しかったダスよ。ワスをまた生き返らせてくれて。本当に嬉しかったダス……。それだけダス。また研究ができて幸せダス。今度はトド松さんと君が幸せになる番ダスよ」