《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第5章 女王様への黄色い嫉妬(※十四松)
温かい腕の中に入り、厚い胸板に頭を預けると、柔軟剤の優しい香りが鼻先をくすぐった。
どちらからともなく、更にぎゅっと抱きしめ合う。
体が密着し、十四松さんの体温が直接伝わってきた。
私の身体がどんどん溶け出して、液体になって、彼の身体に混ざっていく……そんな不思議な錯覚に陥る。
きっと真夏の夜だから。
抗えない力が働いているんだ。
だから、仕方がない……ことにしよう……。
考えるのをやめたら、ピッタリとくっついた身体と身体の境界線がなくなった気がした。
十四松さんが、はあっと大きく息を吐き、愛おしそうに私に何度も何度も頬ずりをする。
痛いくらいに気持ちが伝わってきて、胸が高鳴った。
「ゆりちゃん……」
「うん」
「大好き……」
「あの、私……」
「答えなくていいよ。言いたいだけ。だって、好きなんだもん」
右手がそろそろと背中を下りてきた。
「あ……」
私の臀部に辿り着くと、優しく撫で回す。
「ゆりちゃんの可愛いお尻……」
十四松さんが息を吐きながら耳元で囁く。
少年のような声に胸の鼓動が激しくなり、子宮の奥が切なく疼いた。
彼の背中に置いていた手をすーっと上に向かって這わせてみる。
身体がビクリと反応した。