《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
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車を霊園の前で止める。
エンジンを切ってしばらく待っていると、ドアがノックされた。
懐中電灯を持ったチョロ松警部だ。
「ゆりくん、来てくれてよかったよ。夜の墓地には長居するもんじゃない」
警部が後部座席に乗り込む。
座っていたトド松先輩に気づいて息を呑んだ。
「トド松くん……」
「警部……お久しぶりです……」
それ以上言葉が続かないのか黙りこむ二人。
バックミラーに目をやると、トド松先輩は泣きそうな顔をしていた。
「警部、お邪魔して悪いんですけど座ってください。とりあえず車を出しますから」
「あ、ああ、うん!」
警部がシートベルトを締めると、私は車を発進させた。
「トド松くん、少し痩せたんじゃないか? 食べていないのか?」
チョロ松警部が心配そうに声をかける。
「大丈夫ですよ。ダイエットできてちょうどいいくらいです」
「今は? お腹はすいていないの? 何か食べる?」
「警部! 本当に大丈夫ですから!」
私はできるだけ捜査の対象になっていない道を通る。
うっかりパトカーに出くわしでもしたら、シャレにならない。
「で、この車はどこに向かっているんだ?」
チョロ松警部は私と先輩を交互に見た。
「出版社です」
「は!? 出版社!?」
チョロ松警部が大声を上げる。