《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「先輩……」
変な気を起こしてるのは私かも……。
「ゆりちゃん、名残惜しそうな顔しないで! 本当に襲っちゃうから! それに今はやることがあるんだ」
「やること?」
先輩が展示室ケースを振り返った。
「ゆりちゃん、僕はね、後悔している。殺しなんかせずに君との幸せを追いかければよかった。でも遅い。僕の罪は消えない」
「…………」
写真の中で微笑むデカパン所長が目に入る。
確かに先輩が背負った罪はあまりにも重い。
「ゆりちゃん、僕はこれからやっちゃいけないことをやろうとしているんだ。だから、僕一人でいい。君とチョロ松警部を巻き込みたくない」
やっちゃいけないこと??
これ以上、何か罪を犯すつもり?
「先輩、何を……」
「僕は背負った罪を消す」
「え?」
罪を消す?
どういう意味?
「本当は一生背負わなきゃいけないんだ。でも、僕はズルいからね。なかったことにする」
「なかったことにする?」
トド松先輩の瞳には強い決意がみなぎっているように見える。
先輩はケースを覗きながら、頷いた。
「ゆりちゃん、僕はデカパンさんを生き返らせる。過去を取り戻すんだ」