《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
古い新聞記事と共に写真が飾られている。
『デカパン研究所』と書かれた建物の前で微笑むパンツ一枚に白衣を羽織った中年男性。
「デカパン所長!?」
人違いではない。
殺されたブラック工場のデカパン氏だ。
「デカパン研究所って一体……」
デカパン氏は、ブラック工場の所長だけではなく研究所もやっていたってこと?
「そうだよ、ゆりちゃん。デカパン所長は元々、研究者なんだ」
突然、後ろから声をかけられた。
「きゃ!?」
驚いて振り返ると、静かに私を見つめる懐かしい顔。
トド松先輩が立っていた。
グレーのスーツにピンクのネクタイ。
チームにいた頃の格好だ。
「先輩!」
「シッ!」
トド松先輩が人さし指を立てる。
「ゆりちゃん一人? 他の捜査員は?」
「いないです」
「本当に?」
疑わしそうにあたりを見回すトド松先輩。
「チョロ松警部が今、トド松先輩のお母様のお墓に行っています。二人で行動しているんです。他の捜査員たちよりも早く先輩に会いたくて」
トド松先輩は吹き出した。
「相変わらずチョロ松警部とゆりちゃんはしょうがないなあ。そんなことしてたら上から怒られるよ?」
「覚悟の上です」