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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)


『ゆり……。

僕は君と一緒になりたかった。

君ともっと早く再会していれば』


トド松先輩の手記には、彼の苦しみが溢れていた。
そして、私への想いも。

こんなに深く強く誰かに愛されたことなんてあっただろうか?

この先、こんなにも愛してくれる人に巡り合えるだろうか?

「トド松先輩……」

トド松先輩とチョロ松警部と私。
3人で捜査をしていた何気ない日々が無性に懐かしい。

あの頃はその幸せに気づかなかった。
失って分かる。
とても貴重な日々だったことを。

もう二度とこのチームは戻らない――。


元赤塚銀行の建物の前で私は車を停めた。
資料館になっているものの、外観は古めかしい銀行のままだ。

数個のライトが建物を照らしている。
門は閉められ、守衛室を覗いても人はいなかった。

しばらく門の周りをうろついてみたが、入れそうにない。

こういうときは管理会社に連絡を入れるべきだが、時間が惜しい。

私は仕方なく門をよじ登って中に入った。
幸い監視カメラは見当たらない。

建物に入ろうとドアに手をかける。

「ん? 開かない……?」
 
鍵がかかっていた。

「やっぱりトド松先輩が中にいるはずないか……」

とはいえ、調べないわけにも行かない。
守衛室に戻って、部屋の中を探してみる。
鍵はテーブルの足元の壁に引っ掛けられていた。


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