《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
私たちは洋館を出て、車に乗り込んだ。
「ゆりくん、僕をお墓の前で降ろしてくれ。君は赤塚銀行だ。帰りにまた拾ってくれればいい」
「分かりました。もし、トド松先輩を見つけたらどうすればいいんですか? 確保ですか?」
チョロ松警部は窓の外に目をやった。
「ゆりくんはどうすればいいと思う?」
「…………。分からないです……」
「僕もだよ……。彼の話を聞くしかない」
松野家の墓がある高級霊園の前で車を停める。
真っ暗な霊園はさすがに不気味。
自分がこっちじゃなくてよかった、なんて少し思ってしまう。
チョロ松警部は車を降りた。
「じゃあ行ってくるよ、ゆりくん」
「気をつけてください」
「ゆりくんもね。何かあったら連絡を」
警部は迷いなく歩き出し、霊園の中へと消えていった。
赤塚銀行、か……。
車をUターンさせ、すぐに向かう。
もし、トド松先輩に会ったらどんな顔をすればいいんだろう?
自分の家で先輩と抱き合ったのはちょうど一ヶ月前。
でも、あれから今日までの間にあまりに色々なことがありすぎて、もう遠い昔の出来事のように思える。